昨夜、山崎豊子の『女系家族』を見た。
フジでは、一本グランプリもしていて、両方が気になり、CMになると、チャンネルを変えて見ていたが、釘付けになったのは、登場女性の着物姿。
長女役の寺島しのぶは、梨園で、幼少の頃から着物に親しんでいただろうから、着姿や、立ち居振る舞いも堂に入って素晴らしいと思った。
着物を日頃から着慣れている人でなければ、なかなかあんなふうには行かないだろう。
また、あの強欲で憎たらしい役は、寺島しのぶの他に誰ができるだろうとさえ考えてしまうほどだ。本当に憎たらしい。
また、愛人役の宮沢りえの美しさといったら・・・。
本当にこの人、森田剛のお嫁さんかしら
いえこれは余計なことですが。
奥田瑛二扮する宇市に
「本宅を訪ねるときには着物で・・・」
と聞いた時には、どんな着物を着るんだろうかとワクワクしながら見ていた。
それは地味な地味な着物だった。
紬のように見えたが、たれものだったのだろうか、いずれにしても帯も藤鼠のような無地の帯だった。
その上からまた、地味な藍鼠色の長羽織。
鏡を見ながら、お太鼓を整える仕草も、長羽織を後ろ手に持ち、肩から落ちそうになる羽織を手繰り寄せる手の美しさも、その一連の仕草が、息を飲むような美しさだった。
また、斜め下から映すカメラアングルもいい。
本宅を訪ねた時、長女も次女も、テカテカした付下げ風な着物を着ていたが、地味で目立たない宮沢りえの着物姿は、そこにいた誰よりも美しく、皆の目を惹きつけた。
透明感のある白い肌に、長い首、小さく纏めた和髪も、タクシーから足を揃えて降り立つ姿も、たまらなく美しかった。
今夜は後編。
愛人、宮沢りえが当主の子供を身ごもっていたことを、皆が知る結果となり、そこから泥々とした遺産相続の愛憎劇と展開していく。
今夜は日本沈没じゃなくて、こっちを見たいかなあ・・・
また宮沢りえの美しい着物姿を見てみたい。