仕事の持ち場は割とひとりでいることが多いので、職場でお喋りをすることはあまりない。
しかも私は昼休憩は自分のアパートに戻るので、職場の情報など知らされるのはいつも1番最後になる。
別に知りたいとも思わないので構わないが。
そんな【みんな知りたい情報】はひとつ上の同僚から入ってくることが多い。
性格的に穏やかで、私達の年にありがちな意地悪ばあさんみたいな雰囲気でもないし、嫌な感じはない。
ただ、たまに(それほんと〜〜??)と疑いたくなる盛った話しが出てくる。
今日聞いた話は【大盛り】過ぎて、心の中で(うそぉ〜)と思いながら聞いてしまった。
会社内の若い男女。
お互い意識しあってるかもしれないよの話しから、
「根掘り葉掘り聞かないでそっと見守ってあげなくちゃあね まだ若いンだから」
そこから自分達の結婚に至る話しになった。
「小川さんはどうやって旦那さんと知りあったの?」
と聞かれたから
「お見合いよ」と答えたら、目をまんまるにして
「ええぇ~っお見合いなのお~」とびっくりされた。
私達の時代はお見合い結婚は珍しくはなかった。
同僚は確か、26歳の時に、友達の紹介で結婚したと言っていて、この旦那さんが、またとても良さげで、同僚はとても幸せなのだと思った。
「お見合いよ」
と言ったら思い切りびっくりされたが、
「私なんか、お見合い、この手と足では足りないくらいしたわあ 40回くらいしたかなあ」
と、手と足を振りながら話が急に、大盛りになった。
(ええぇ、この人40回もお見合いしたの?)
私の知ってるママ友さん、
「私は絶対に納得するまで、諦めなかったんよ」と言っていた人でさえ、お見合いは11回。
「23歳の時から、親からお見合いしなさいとか言われて無理やり日にちを決めてね。」
「ハァ」
「当時ピアノの先生なんか引く手あまただからさあ」
「何で?」
「だって家にいながらにして稼げる奥さんって、みんな欲しいじゃない、それに世間の聞こえもいいし」
「そうかねえ」
「40回くらいしたけど、どの人もみんなイマイチでぜ~んぶ断ったけどね」
40回もお見合いしたのに、気にいる人がひとりもいなかったのも、どうかありそうだけど、だいたい23歳からお見合いして26歳で結婚するまで、本当に40回もお見合いしたんだとしたら、単純に1年に13回、ひと月に1.3回はお見合いしたことになる。
26歳で結婚するのに、半年前からお付き合いを始めたというから、正味2年半のうちに40回のお見合いをしたというのだろうか。
思わず(うそー〰)と思ったが、自分の話しについては【大盛り】にすることが多いので、話半分に聞いておいた。
途中で挫折した私と違い、ピアノの先生になったのは彼女の努力だとは思うけど、ピアノの先生もピンからキリまでで、40回お見合いした相手を「全部断った」ほど、高嶺の花の雰囲気は、はっきり言ってない。
どちらかと言えば、いつも地味な服をきて目立たない感じだ。
たまに見る旦那さんも、ごくごく素朴な感じで、高嶺の花のピアノの先生を勝ち取ったギラギラ感はない。
たまーにこの【大盛り】の話が出てきて面白いけど、何でこんなわかりやすい嘘みたいな話をするんだろう。
自分は『特別』と言う感覚はどこから来るんだろうか、今日はことのほか【大盛り】で胸焼けがした。
ランキングに参加しています
応援していただけると励みになります♪