娘の結婚式に出かける前に、義姉がやってくるというので、自宅を見違えるほど掃除していたモラハラ夫。
義姉はいつもこんな風だと疑ってなかったが、ホテルの部屋に遊びに来た娘から
「家、めっちゃ汚かったやろう!」
「すごく綺麗だったよ」
「うっそー!」
そんな会話から、お姑の家の話になった。
舅が亡くなって1ヶ月もしないうちに買った築3年の中古住宅は、住宅団地の中に建てられた瀟洒なお家だった。
ガーデニングが趣味のお姑が玄関のアイアン製の門扉にきれいに薔薇を咲かせていたが・・・
なぜか家の中が、カオスな感じでいつも雑然として汚かった。
せっかくのお家なのにと、ずっと思っていた。
が、ホテルの部屋で娘と喋る義姉から予想もしない話を聞いたからびっくりした。
と言うのも、
「私、結婚してから1回もお母さんちに泊まったことないんよ」
お母さんちとはお姑の家だ。
車で5分という近いところに住んでいるというのもあるし、嫁いだお家が一人息子で、親と同居だったという手前もあっただろう。
でも、義姉のお姑にあたる人は、ご主人が亡くなってから、自分からすすんでさっさと施設に入り、2年前に亡くなったが、もう10年以上になる。
その間も1度も泊まったことがないと言うので、「何で?」と理由を聞いてみたら、
「だってお母さんち、汚いんやもーん」
これには笑えた。
実の娘である義姉さんも、お姑の家は汚くて泊まれないと言っているのだ。
確かに、一昨年の年末にお墓参りに出かけた時に見た玄関横の和室も、そっと襖を開けて見たら、お弁当の殻やら、空のペットボトルが散乱していた。
認知が入ってから、ヘルパーさんが来るようになり、居住箇所とトイレくらいは綺麗に掃除してくれるが、寝室として使用しているところは掃除をしないので、そうなってしまったのだ。
だけど、週いちで覗きに行っている義姉はそれを見て掃除しないのかなと不思議に思った。和室など開けなかったのかも知れないし、私の仕事じゃないと思ったかも知れない。
「仕事止めたんでしょ、あすみさん早くこっちに帰って手伝ってよ〜」
と言ったお姑や夫、義姉はどう思っていたのだろうか。
夫が今の家を売って私を連れて地元に帰るような話にでもなっていたのだろうか。
父がこちらで元気に過ごしている。
今日も駅前まで歩いていた。元気でほんとに有り難い。
父のおかげで気持ちもお金も助かっている。
天寿を全うする日まで、元気づけ寄り添いたいと願っているから、もう自宅も売りはらった地元に戻る気はない。