自宅に晩御飯を作りに帰ってきた。
アパートに来てから1年8ヶ月になろうとしているのに、夫の御飯を作るとなると、買い物から緊張している。
もう、一緒に食べないんだから緊張することはないのに。
たぶん
(早く帰って支度しないと)
(買い忘れはないだろうか)
(今日のメニューでいいだろうか)
そんなことを考えながら、運転していて、坂を下ったところに老人がいることに気がつかなかった。
信号のない横断歩道を渡ろうと足を出していたのを見つけてブレーキをかけた。
スピードが出ていたのを老人の方が見つけて、横断歩道を渡るのを止めた。
(危なかったなあ)
と思いながら、バックミラーを覗いたら、二車線あった片側の道路は車が止まり、老人は止まった車に会釈しながら横断歩道を渡っていた。
申し訳ないことをしたと思った。
老人は父親よりは若そうだったが、父だって、この辺の信号のない横断歩道は利用しているはず。もう少し周りを見ながら運転しなければと反省した。
なんてスピード出してるんだと思ったことだろう。
信号がない横断歩道は、その前に減速しなければならないのに、(早く晩御飯にとりかからないと)という気持ちがアクセルを踏み込んでしまっていたんだろう。
自宅に住んでいるとき、4人の子供の学校や塾の送り迎えに奔走した。
夫は帰宅してお風呂から上がるとすぐに晩酌を始めるため、あらかた酒の肴を作って置かなければならず、ひとりで家を出たり入ったりした。
隣のご主人さんは塾の送り迎えがあれば、食事は後からにして、子供さんを迎えに行っていた。
うちでは考えられないことだった。
専業主婦でもあったし。
差し支えないように、それまでひととおりのことを終わらせておかなければならなかった。
忙しく、ストレスを感じていただろうと思う。
今はアパート暮らし。自分のペースで暮せばいいのに、晩御飯作りの呪縛から抜け出せないでいる。
今日の自宅の晩御飯
夫では作れない煮物が中心のメニュー。
活きのいい蛸を見付けたので、大蒜と醤油と酒で下味をつけて置いておき、片栗粉をまぶして揚げた。出来上がりに青海苔を振りかけて風味付け。
美味しそうに揚がって満足だったが、早速、夫から駄目だし。
「身体に悪いから揚げ物止めてくれって言ったよなあ」
「そうなんやけど、今日は蛸が活きが良かったからねえ、これしたかったんよ」
「揚げ物じゃなくて、ただ塩こしょうで焼くだけとかさあ、考えてよぉ」
「はいはい」
揚げ物はNGとわかっていたけど、どうでも良かった。
骨付き鶏の煮物 アスパラガスのべーコン巻き、よくお弁当に入れたなあ~
茄子の味噌田楽
父の大好物 お皿は母の好きだった織部焼
アパートの冷蔵庫にあった人参を持って行くのを忘れて彩りが悪くなってしまったが筑前煮。
デザートは葡萄。
母が大事にしていたお皿、雰囲気はある。
今日は漁が休みだったのか、魚が少なく、夫の好きな煮魚ができなかった。
腹持ちの良いものがなかったけど、たべる時にはアパートに帰っているので、文句を聞かなくてもいいのが、本当に楽だ。
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