あすみとモラハラ夫との13000日

毒親育ち モラハラ夫 エッセイブログ

思いがけない彼との再会


誰にも心に残るテレビドラマがあるだろう。

私が社宅にいた時に毎週 夢中になってみていたのが、当時 フジテレビで放映されていたトレンディドラマの『同級生』

主人公の安田成美が大学の時の同級生、緒方直人と年上の恋人 石田純一の間で揺れ動く女心と、彼女を取り巻く友人達の微妙な距離感を描き出し、結婚する前にとても好きだった北川くんのことも思いだし、
教会で出会った彼 - あすみとモラハラ夫との13000日
毎週ビデオにもとって、繰り返し見ていた。

『同級生』か・・・


結納を終えた後、夏の暑い日、通っていた教会でも牧師先生が『婚約式』を開いてくれた。教会に通っていた母校の女子高生たちも来てくれて、厳かに賑やかに執り行われた。

お礼を伝えておこうと、ある日、会社帰りに牧師先生のお宅に立ち寄った。
チャイムを押すと先生がにこやかに玄関先に出てきて、

「先生、この間はありがとうございました」と伝えると、
「ああ、よく来てくれたねえ、お茶でも飲んで行ったら?」
「いえ、ここで・・・」
「今ちょうど、北川くんが来てるんだよ」

(え?)

急にどきどきしだした。

懐かしい・・・北川くんとはあの日以来の再会だ。
引っかかった言葉 - あすみとモラハラ夫との13000日
「さあさあ、夏休みでね、寄ってくれたんだ」
「失礼します」

リビングのとなりのキッチンのテーブルに北川くんは座っていた。
「あ、こんばんは」
「こんばんは」

テーブルの幅が狭くて、手を伸ばせば届くほどの位置に北川くんがいる。

半年前にあったのに、もうずっと昔に出会った人のように思えるのはどうしてだろう。

コーヒーを飲みながら、新しい土地での生活や、取り組んでいる勉強などの差し障りのないお喋りで時間は過ぎて行った。


「もう、お夕食時なので、そろそろ失礼します」
と私が席を立つと、
「あ、僕もそろそろ・・・」

と北川くんも立ち上がった。

こんなに背が高かったんだ・・・

「あ、そお?またゆっくり寄ってくれる?ちょっと暗くなってきたねえ」
玄関の外まで来て、牧師先生の言葉をさえぎるように、
「あ、大丈夫ですよ、佐藤さんは僕が家までおくりますから」
「じゃ、お願いするね」


牧師先生は私と北川くんの微妙な関係を知らない。

(え?)と北川くんを見ると、少し微笑んだようにも見えた。

教会の裏の細い坂道を上がっていく。

「夜は少ししのぎやすいね」

「そうね」

北川くんが話したいのは、そんな気候の話しなんだろうか・・・
「結婚するって聞いたよ」

「うん」

歩きながら石畳の坂道を上がりきると、視界が広がった。
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茜色が残る夏空、天に向かって群青色のグラデーションに星がひとつ、ふたつ、瞬き始めた。

私達は夜空を見上げた。

「何も言ってくれなかったね・・・」

あの時に、北川くんがひき止めていたら、また違った人生の航海に出ていたかも知れないという思いがした。

「何が言えるの?僕に・・・学生なのに・・・僕はどんどん大人になっていく あすみが怖かったんだ」


始まりそうだったのに、始まる前に終わった恋。

人生の『縁』というのはそんなものかも知れない。


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北川くんは、それから2年後に、あの時の彼女
[教会で出会った彼 知らされた事実 - あすみとモラハラ夫との13000日
と同じ教会で結婚式をあげたらしい

彼女の方からアパートに押し掛けてきて、そのまま同棲。
「けじめをつけた方がいい」と周りに促されて、学生結婚。学生の間はずっと奥さんが働いて彼を支えていたという。

同じことを私がしていたら結婚してたか、というとやっぱりしていないと思う。
『縁』とはそういうものだ。


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2度と会うことはないだろう・・・

すっかり思い出に変わっていた北川くんとの再会はそれから10数年後、思いもよらないところだった。