市役所から介護認定の方が来てくれました。
30分程度、いろんな質問を父に問う形でしたが、『国で定められている質問』と言ってました。(こんなことまで聞くんだ)と言うのが正直な感想でした。
介護に関する事ですもんね。
オシッコの回数や便の回数
「今、何時ですか?」
「今の季節は何ですか?」
などなど。
そんなわかりきってること聞くの?と思いましたが、父が答えるまでの時間が長いと、(ああ、認知?大丈夫かなあ)とドキドキしました。
時間は多少 かかったとしても、答えられたら大丈夫だけど、
「奥様、いつ亡くなったんですか?」の問いかけに
「1年前かなあ」
と答えた時には、父の中では母が亡くなってからまだ1年くらいで時が止まってるんだと思いました。
亡くなってからもう5年になります。
家族構成のことも聞かれました。聞かれるだろうなあと思いました。
「子供さんは、娘さんの他にどなたかいらっしゃいますか?」
「息子がおるけどな、離縁しとるな」
こちらのマンションに入居する時に取り寄せた戸籍謄本。兄は籍を抜いていたことを知りました。
家族ではなくなったということです。
認定員の人がちらっと私の顔を見ましたが、深くは聞こうとしませんでした。
沢山の人に接しているでしょうから、きっといろんな事情がある家族を知っていることでしょう。
母じゃなければ、きっと普通な家族でいられたはず。いや、それはわからない。
過ぎてしまったこと。娘と母親の関係、息子と父親の関係、こじれた関係はよく耳にする。
家族が仲良くいることは、たぶん普通なことではないのだろう。
仲良し家族を作りたいと努力したところで、モラハラ人間が存在する家庭では、それが叶わない。仕方ない。
こうして距離を置くことで上手くいく家族なら、そういう家族があってもいいだろう。
「こんなに家族仲がいいのは、珍しいよ」
父は私達、家族を見てそういう度に、身につまされる。
保険証の入った父のショルダーバッグの底に、兄の顔写真が貼られた履歴書が4つ折にして入れてあるのを見ると、父は父で音信不通になっている兄のことを気にかけてるんだろうなと思う。