今日は父のデイサービスの日。
9時半の迎えに、ドタキャンしないように9時前に仕事場から電話を入れた。
朝は開店準備で忙しい。合間を見ながら9時前に電話を入れると、意外にもすぐに電話に出た。
「今日はデイサービスの日よ、9時半に迎えにくるからね!着替えといてね」
そういうと、
「もう着替えて降りとるわい」
と言ったから思わず笑った。
「行く!」と言ってみたり「行かん!」と言ってみたり、デイサービスに行くのが習慣になるようにと、気を揉んだが、迎えに来なくても自分からマンションの玄関ホールに降りたと聞いて思わず笑ってしまったのだ。
行く日を楽しみにしているようで、本当に安心した。
仕事が終わってから、お味噌汁を持って行った。
昨日、鳥の唐揚げを持って行っておいたから、お味噌汁があればいいかなと、冷蔵庫を開けたら、唐揚げがなかったのだ。
「あれ!唐揚げ食べたん?」
ゴミ箱か唐揚げの骨が出てきた。
「ああ、食べとるなあ、いつ食べたかなあ」と笑った。
なんでもいい。
デイサービスに行く前よりも、元気になって、よく喋るようになった。
もともと、前向きな父だが、本当によく笑うようになった。
そしていつも口にする言葉。
「本当にありがたい」「わしは幸せじゃ」
持って行く晩御飯は前の日の残りもので、レンジでチンして食べるのに、
「あああ~~~うまいなあ!」
「あああ~~~美味しいなあ!」
を連発して、本当に美味しいそうに食べる。
「鳥の唐揚げがあると思ってお味噌汁しか持ってこんやったわあ、悪かったね」
「いやいや、上等じゃわい」
そう言って、賞味期限の切れたキムチと一緒に御飯を食べた。
「あああ~~~ごちそうさま、うまかったわい」
父は何でも美味しいと言い、文句は言わない。
「食べるものに文句を言うな!」
は、小さい頃から耳にたこができるほど、聞かされた事。
それなのに、結婚したモラハラ夫は毎回、文句やケチをつけていた。
とてもストレスに感じていたが、お姑に言うと
「文句くらい言わせてあげてちょうだいな」
と言われたから、もう、最初からまるっきり環境の違う2人が結婚という名の元に、修行のような食事時間を過ごしたんだと思う。
父の「あああ~~~うまいなあ」
「ありがたい」「わしは幸せじゃ」と言うのを聞く度に、こっちも幸せな気持ちになる。
人の気持ちを幸せにするのは、こんなところにあるんだとつくづく感じている。