お昼に大学生の息子から「お昼ごはん一緒に食べに行こ」とラインがあり、郊外のカフェでランチをした後、一緒に父のマンションを訪ねた。
孫の顔を見ると、父はとても喜んでくれる。
息子も頼むと気持よくついてきてくれるので、有り難い。
今日はリサイクルで500円で買った将棋セットを持っていき、小さな机の上いっぱいに広げて2人向かい合って将棋をさした。
息子は将棋は超初心者。
動かし方が分かる程度だ。20分ほどで父の勝ちで勝負がついた。
「わしとするにはまだまだじゃわい(笑)」
そう言って笑ったが、孫と一緒に将棋をするなんて、きっと初めてのことで、とても嬉しそうだった。
息子も息子で、
「来週、リベンジに来るわあ(笑)」
と笑った。
その間、キッチン周りのいらない物をきれいに片づけてすっきりした。
もともと片づけるほど物はない。
「ありがとうな」
父に晩御飯のカツとじを持っていき、お薬カレンダーにお薬を入れて、2人して母のご仏壇にお線香をあげて帰ってきた。
たったそれだけのことなのに、父は何度も
「ありがとう」「本当にありがとう」
と私と息子に感謝の言葉を発する。
「いいよ、こちらこそ」
そう言ってマンションを後にした。
エレベーターにで降りてくる間、息子が言う。
「おじいちゃんは何回も僕らにありがとう、ありがとうって言ってくれて、そんなに喜んでくれるんなら、また来ようって思うし、こっちが幸せな気持になってくるね」
「ほんとにそうね」
父からネガティブな言葉を聞かない。
いつも、「ありがとう」「ありがとう」と私に感謝してくれる。
私こそ、父のおかげでどんなに助かっているか知れやしないのに。
だから私も父に
「私こそ、助かってるんよ、ありがとう」
と伝える。
介護1の父、この先、どんな風に変わって行くのかわからない。
苦労人の父がこの世を去る時には「とても幸せだった」と思って旅立って欲しい。
言葉はとても大事。
朝、取り寄せた本をずっと読んでいた。
人生を変えるのは『思考』じゃなくて『感情』
いつも幸せに満ち満ちた感情でいることが、充足感を得て幸せなことが寄ってくるんだとある。
昨年の夏、圧迫骨折をした父が復活したのは、感謝の言葉をいつも口にしていたからだと、自分が引き寄せたんだと、心からそう思う。