こちらの天気予報では、今日は雨だったのに、朝から空は晴れ上がり、窓から見える、緑の木々からは蝉の鳴き声さえ、聞こえてきて、梅雨明けしたのかなと思えるほどだった。
休日の朝はゆっくり起きたが、父の様子が気になり、10時半にはマンションを訪ねた。
相変わらずで、寝ていれば大丈夫そうだが、寝返りを打つ時や、ベッドから起き上がる時に激痛が走り、呻き声をあげながら起き上がる。
起きてしばらくすれば、立ち上がりトイレなどにも行けるが・・・先が長そうだ。
朝は昨日買っておいた食パンを焼いてコーヒーも飲んだようだった。
「すまんなあ」
何度もそういう父。
「いいよ」
気になっていた、バスマットなどの敷物類を今日は洗濯した。
そして衝撃だったお風呂場。
カビとり洗剤とブラシで洗って、電球も明るい物に取り替えて、だいぶ綺麗にはなったが、(ああ、高圧洗浄機があったらなあ・・・)という思いがどうしても強く、メルカリに頼って、コンパクトな高圧洗浄機を買ってしまった。
出品者の方がすぐに送ってくれたので、今日は早速それで、とりきれなかった天井や蓋の掃除にとりかかった。
途中、カビとり洗剤がなくなって、1度出直すことにしたが、洗浄機の水圧で頭からシャワーを浴びたようになり、着ていた洋服も下着までびちょびちょになった。
パッキンにこびりついていたしつこいカビはとることができなかったが、天井や、アコーディオン式の扉などは綺麗になって良かった。
「すまんなあ」
を繰り返す父。
「頼んで入院しようか」
と言ったが、今はコロナ禍で入院すると家族でも面会が厳しくなると、この前診てもらったお医者さんがそう言っていた。
父は私の負担を気にしていたが、幸か不幸か、今はアパート暮らし。
夫に晩御飯に文句を言われる訳ではないし、アパートに帰ればゆっくり横になれる。
ひょっとしたら、父の世話をすることがわかっていて半年前に引っ越しをせざるを得なかったのかも・・・とも思う。
自宅にいたら、協力を得られないまま、仕事、家、父の世話と、きりきり舞いになって倒れていたかも知れない。
一緒に見舞いに行った息子が、帰りの車の中で「椅子がさあ、なんかもっと高さのあるものの方がよくない?」
心配しているようだった。
父が座っていた椅子がこんな感じの↓
これは不安定だから椅子を買ってあげるから、と言うのに、頑なに買うことを嫌がっていた。
知り合いの看護師さんに事情を話た時、私は電子レンジを一緒に持ったとき?衣装ケースを持ち上げた時?
圧迫骨折になったのはそれじゃないかと伝えたが、
「いや、そんなことで圧迫骨折になったとか聞かないねえ、なんか尻もちをついたとか、そんなことじゃないと」
そう言われた時に、この不安定な椅子を思い出した。
父に「椅子から落ちたんじゃないの?」
と聞くと、図星だったみたいで、笑いながら「うーん、そうかなあ、こけたかも知れんなあ」と誤魔化しながら笑っていた。
だから言わんこっちゃない。
椅子を変えようとあれほど言ったのに。
ベッドだって、頑なに拒否していたが、今ではベッドになってどれだけ楽になったことだろうか。
「ちゃんと言うことを聞いてもらわないと!」
そう言った。
息子はいつも元気だったおじいちゃんの姿を見て、心配そうにしていた。
車の中の会話はずっと父のことだった。
それにひきかえ、夫は魚の煮付けの文句。
お見舞いは形式的なものだったのだろう。
今はアパート暮らし。
これから毎日、父に食事を届けることになるが、父はいつも私のことを心配してくれる私の力強い味方の一人。
精一杯のことをしたいと思う。