あすみとモラハラ夫との13000日

毒親育ち モラハラ夫 エッセイブログ

回顧録 真理ちゃんとの嫌な思い出


「真理ちゃんによぉいじめられてたよ」

と、母が言った

「いっつもいじめられて泣いて帰ってきてから・・・もう遊びなさんな!ってよぉ言っとった」

子供のだから、時には気にくわないこともある。今日は楽しかったり、今日は面白くなかったり・・・

そんなことを繰り返しながら、子供は成長していくんだと思う。
そう、母に言われても、真理ちゃんと一緒に遊ぶのが楽しかったから仲直りして遊んだんだと思う。

でも、今でも心の中に強烈に焼き付いている真理ちゃんとの出来事がある。幼稚園の頃かな

宝石のおもちゃ

大好きな恵子おばちゃんは、父方の1番下の弟のお嫁さん。いつも朗らかでおっとりとした喋り方がとても男の子2人のお母さんには思えない。2人を連れてよく遊びにきた。

ある日「かわいいのを見つけたよ」と言って、ボール紙にひっついた袋に入った宝石のおもちゃ を手渡してくれた。

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ボール紙にはピンク色のキラキラ光ったネックレスに腕輪、赤い大きな珠の指輪、そしてリボンの髪飾り

欲しいものは、誕生日にしか買わないという方針の我が家で、思いがけない叔母からのプレゼントにとびあがって喜んだ。
そして、真理ちゃんに見せたくて、学校から帰ってくるのをまだかまだかと待ちわびた。

「真理ちゃん、見て見て!」

真理ちゃんが帰ってくるのを表でまちながら、そのまま上がりこんで、真理ちゃんに宝石のおもちゃを見せた。
「どうしたん」
「叔母ちゃんにもらったの」
「ふ~ん、可愛いね」

あんまりはしゃいでいたので、真理ちゃんの不機嫌な様子に気がつかなかったのかも知れない。

「ねえねえ、宝探ししよ?」
「宝探しって何?」

「今からあすみちゃんのこの宝石のおもちゃを隠して、あすみちゃんが見つけるの。見つからなかったら私のものよ」
「いいよ やろやろ」
「じゃあ、目をつぶって」

目を固く閉じて「いいよ」と真理ちゃんがいうのを待った。

「いいよ」

目を開けると真理ちゃんがニヤニヤ笑っていた。
「さあ、ど~こだ」

おばちゃんの鏡台の上や、ゴミ箱の中、ソファーの下、ピアノの下、いろんなところをくまなく探したが、叔母からもらった宝石のおもちゃは見つからなかった。

「え~ヒント!」
いつまでも見つけだせなかったので、真理ちゃんにそう言うと、
「ここら辺」
と、さっき、探したはずのおばちゃんの鏡台を右足で指した。

台所の椅子に座った怖い顔のおばあちゃんが眼鏡をずらして新聞を見ながらお茶をすすっている。

「どこお?どこにあるん」

さっきの鏡台の近くをもう一度探して、引出しも開けて見たけど宝石のおもちゃは見つからなかった。

真理ちゃんは動いて探し回る私の真正面でニヤニヤと意味なく笑った。

だんだん悲しくなって、泣けてきた。
「真理ちゃん、私の宝石どこにやったん」

「見つからなかったら私のになるって約束したよね?」

そう言ってまたニヤニヤ笑った。

私は悲しくなってとうとう、泣きながら
「お願い、返して!」
と真理ちゃんにすがりついた。
「返して!返してよお」


きっと私が泣き叫ぶのがうるさかったんだと思う。

台所から真理ちゃんのおばあちゃんが恐ろしい形相で出てきて
「真理ちゃん、もう返してやりなさい!」と真理ちゃんの手を掴んだ。


いくら探しても見つからない筈です。
宝石のおもちゃは真理ちゃんが手に持って背中の後ろに隠していたのです。

その姿をおばあちゃんが見たのでしょう。
「いやん、いやん」と大泣きする真理ちゃんを羽交い締めにして、手に持っていた宝石のおもちゃを取り上げました。

おばあちゃんはいつも白い割烹着を着ていて椅子から立ち上がると、背も高くて妖怪みたいにみえました。

絨毯に落ちた宝石のおもちゃをかき集めるようにして、私は泣きながら家に帰りました。


「真理ちゃんが・・・」

ヒクヒクしたまま、おもちゃを隠されたことを言うと
「もう、遊びなさんな!」

と、母は吐き捨てました。


大好きな恵子おばちゃんからもらった宝石のおもちゃ、ふと気がつくと、赤い珠の指輪が見当たりません。
じゃらじゃらと真理ちゃんの家の絨毯に落とした時に、どっかに転がって行ったのかも知れません。



取り戻そうと、すぐに真理ちゃんの家に行きました 。
玄関の引き戸をがらがらと開けると、例のおばあちゃんが目の前に座り、履き物を揃えているところでした。
「あの・・・赤い指輪がないんやけど・・・」

そう言うと、真理ちゃんのおばあちゃんは目を恐ろしくひんむいて

「知らん!!」

怖かったので、すぐに戸を閉めて帰ってきました。

指輪は見つかりませんでしたし、そのことがあってから真理ちゃんの家には暫く行かなかったような気がします。


私は、真理ちゃんのおばあちゃんが笑っているところを一度も見たことがありません。
真理ちゃんは活発ではありませんでしたから、いつもおばあちゃんの家で、お絵かきしたり、本を読んだりして静かに過ごしていたんだと思います。


真理ちゃんは甘やかされて、ちょっと我が儘だったかも知れません。が、私の周りには不思議とこんな人達ばかり。

依存体質の私が呼び寄せてしまうのかもしれません