おととい、やっと歯医者で歯型をとった。
1月末に指を自宅の引き戸に挟んで骨折、その5日後に、お夕飯を食べている途中、お茶碗の縁に歯があたっただけだったのに、カチンと音がしたかと思うと、食べている口の中で違和感を感じて手のひらに吐き出すと、10数年前、思いきって前歯を5本セラミックに変えたうちのひとつが折れて出てきたのだった。
「え~(泣)」
「セラミックにしておくと見た目も綺麗だし、一生使えるから高い買い物ではないですよ」
と歯科医のドクターに言われて、結構、高額なお金を出して変えたのに・・・
と、指は折る、歯は折れるで、本当に良いことなしだった。
(こんなブログ書いてるからバチでもあたったのかな)と思ったりした。
次の日はマスクを着用して仕事に出かけた。
新型コロナで、周りの人も皆、マスクをしているから、違和感はなかったが、仕事を終えてかかりつけの歯医者に行って、すぐにくっつけてもらったけど、
「根っこが虫歯になってるので、すぐにまた外れるかも」
案の定、3日はもったが、また折れて、ずっと前歯のない生活になり、マスクのおかげで歯が折れているのを知られずに、おととい、やっと仮歯が入った。
ジルコニアという、セラミックよりは安いのかな?
でも5万円の歯を入れるようになった。
痛い出費(泣)
「歯にお金かかってるね~」
ドクターは私の歯を治療しながら、感心するようにそう言った。
私のこの厄介な歯にまつわる話は、話し出すとかなり長い。
人と話をするときには、私の歯がどんなふうに相手に見られているか、いつも気になる。
「頭の髪の毛が薄い人が人の頭を気にするのと一緒で、自分の気になるところを見るんだろ、僕は人の歯なんか見ないけどね」
あまりに悩んでいた私に夫がそう言ってくれて、ちょっと安堵した。
もう、ずいぶん前のことだけど。
私の生えたばかりの永久歯がなくなったのは、小学3年の3月。
すみれちゃんの誕生日パーティーに呼ばれて、ちかくのお寺の境内で遊んでいたときのこと。
幼稚園を併設する境内には、大きな舟形のブランコがあった。
みんなで「乗ろう乗ろう」と漕ぎ出した。
最初はゆっくりとしか揺れなかったが、小学生となった自分達には、幼稚園の遊具はもの足りなかったのか、「もっと!」「もっと!」と、みんなで勢いをつけて漕いだ。
大きく揺れる舟形のブランコはスリリングで面白かった。そして、動くブランコの底に私は立ち上がると、たぶん、前日降った雨で、舟底が濡れていたんだと思う。
「きゃあ」
と叫んだと同時に雨で濡れていた板の上で滑り、舟形のブランコの底に顎から落ちて、気がついた時には口から血を流していた。