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母から受けていたモラハラ マネハラ その背景 4 入院


そういえば、市民病院はこの春から新しくなって埠頭の方に移転したと聞いた。
中庭には大理石で造られた滝があると聞いていたが、ストレッチャーに乗せられていたのでは天井しか見えない。

「小川さん、もうすぐですよ、しっかり」

救急車の担架に移るまで、激痛で2時間を要し、脂汗でべっとり、体じゅうのエネルギーを使い切り、朦朧とした。

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遠くから、心地よく落ちる水音が聴こえ、近づいてきて、また遠ざかった。そこを通るときだけ、肌寒く感じたのは、きっと大理石で造られた人口の滝の前を通りすぎたからだろう。

半開きの目で見上げた天井に嵌め込まれたダウンライトが走り続けるストレッチャからは、まるで火の玉が飛んでいるように見えた。


(ああ、子供が帰ってくる、バスの迎えは誰がいくんだろう)

(お乳を欲しがってる・・・)

ミルクと母乳で育てていた2ヶ月の子供、お乳が張って、母乳の時間を知らせてくれたが、どうにもならない。

明日から、いや、今夜から子供達はどうなるんだろう、誰が寝かしつけてくれるんだろう
誰が、夜中にミルクをあげてくれるんだろう

自分のことよりも、子供達が心配で、頭の中がいっぱいになった。


処置室で処置を、MRIをとり、病室が決まると、ドクターと話しをしながら、夫がベッドの側へやってきた。

「骨には異常はないようです、椎間板ヘルニアですね、今、すぐに手術をすることはないとおもいますが・・・」

「10日間くらいで、退院できると思います」

「ええ!10日間も?!」

10日も家を留守にしたら、うちはどうなるんだろう
そんな不安が襲ってきて、涙が溢れだしました。

「お袋に電話したよ、明日、こっちにきてくれるって、子供達はマンションの奥さん達が見てくれてるよ 心配しなくていいよ」

マンションの友達がおかずを持ってきてくれたり、子供をお泊まりさせてくれたり、私達の負担を減らそうとしてくれているのが、本当に有難い・・・そう思った。


「うちの方には?」

実家には連絡してくれたのか、気になった。
今までだって、お産の後のお手伝いさえ、来てくれなかった母親だ。お手伝いしてもらえるとは思ってなかったが、救急車で運ばれたとあらば、心配くらいはしてるだろう。

「ありゃありゃって言ってたよ」

「それだけ?」

「それだけだよ(笑)」

夫もいつもの事と認識していた。


寝ていたベッドからは起き上がろうにも起き上がれなかった。
まず、とにかく、力が入らない
動かすことができるのは、首と両手だけ。

「おトイレに行きたい時はどうするんですか?」

見回りの看護師さんに聞いたら
「ナースコールしてくれたら、とりにきますよ」

自分では行かれないんだ・・・

いつもは動かせている、足が動かせないのは、本当に情けなかった。

お夕食もベッドの横の台を引き出して置いてはくれたが、まだ体が痛くて食べられそうにない


翌朝、痛み止めのブロック注射がよく効いたのか、少し痛みが和らいだ。
「おはようございます」
にこやかに看護師さんが朝食のトレイを持ってやってきた
夜のうちに、昨日の晩御飯が下げられていたが、気がつかなかったのだろう。

なんか、少しお腹が空いた。
子供達は何を食べてるんだろう・・・

今までこんなに長い時間、子供達と離ればなれになったことはない、忘れものしてないだろうか、歯磨きはちゃんとしてるだろうか、気になることばかりだった。



2.3日して、マンションのお友達や、入院したことを聞いて、前に住んでいた社宅の奥さん達もお見舞いにきてくれた。

「お家のことはお母さんがやってるの?」

社宅のお友達からそう聞かれて

「義母さんが来てくれてるの、お母さんは・・・海外に仕入れに出かけてね・・・」

咄嗟に嘘をついた。

娘の一大事に、それも、2ヶ月の生まれたばかりの子供も含めて4人の子供達がいることをわかっていて、家の中がどんなふうになっているかなんて容易に想像がつくはず。
そんなときに手伝いにも来ない親とは、余程の理由じゃないと納得させられなかった。

「ええ!帰ってきたらびっくりするだろうね」

「そうだね」


1番苦しい私が、何で寄り添うこともしない母親の対面をかばわなくてはいけないのか・・・情けなかった。

でも、今に始まったことじゃない。



動かなかった体は日に日に回復して10日めには歩いて病院を退院することができて、本当に良かった。
入院していた間、たくさんの洗濯物や食事の仕度など、義母さんが全部してくれていた。

子供達は学校や園から帰るとそれぞれ、マンションのお友達のところで遊ばせてくれて、周りの人たちに感謝してもしきれないくらいだ。

退院したその日に、一応、実家の母には電話を入れた
「今日、退院して帰ってきたから」そういうと母はひとこと

「好き好んで4人も子供 産むからよ!」

そう吐き捨てた。

「・・・よくそんなこと言えるね・・・」

「ほんとのことよ!」

そういうとガチャンと一方的に電話を切った。

 

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