あすみとモラハラ夫との13000日

毒親育ち モラハラ夫 エッセイブログ

モラハラ母の思い出の洋服たち 白いコート

スポンサーリンク

昔から、家族でお出かけしようと言われて、期待ばかり膨らませては、直前になって「用事ができた」や「気が変わった」などの理由で、計画がおじゃんになることが多かった。
最初から本当に出かける気があったのかとさえ思う。



だから「あすみのコートを作ってあげようか」と言われて「作って作って!」とは言ったけど、またどうせそのへんに放ったらかしにして「気が変わったんよ」と言うにちがいないと考えていた。



ところが、学校から帰ってきて、母の洋裁部屋を覗くと、オフホワイトの生地は型紙に沿って裁断され、次の日には洋裁用のボディーにかけられ、次の日も、またその次の日も、どんどん形になって行って、(こんなこともあるんだ)と不思議に感じるくらいだった。
余計なことは言うまい。作ってくれたら嬉しい。

f:id:hyumama:20200319181336j:plain

ティーンエイジャーの洋服の雑誌の中で見つけたコートのスタイル

「これがいい!これにして!」

「どれどれ」

と、巻末に載っていた作り方をパラパラっとめくって、記載されていた、生地のメートル数や、作り方を、ピンクのマニキュアを塗った人差し指がさーっとなぞった。

「いいよ、これで作ろう」


そう言って1週間もしないうちに出来上がったのは、ミリタリー風のオーバーコート


とても素敵だった。

襟はスタンドカラー、着物みたいにふところを深く合わせて、少しラグランな袖はふんわりとさせて袖口で絞った。
ミリタリーな雰囲気を醸しだしていたのは、前身頃に横についた6個の少し大きめのボタン。

オフホワイトに合わせて買った同じ色のボタンには真ん中だけ透明で、中には金色の糸でコード刺繍したものを捻って施してあった。
何かの模様かも知れない。




「着てみてん」

ウエストは共布で作ったベルトを蝶々結びにした。
すると、ギャザースカートみたいに裾がフワッと広がった。

コートのポケットに手を入れて、鏡の前で、横を向いたり後ろを向いたりすると、シルク混紡の布のコートは白いパールのように上品に艶を放った。

「わあ!素敵! すごいね!お母さん」

『まあね!」

「今度、クリスマス礼拝があるから、その時、着て行こう!!みんなびっくりするね!」

母は満足そうに笑っていた。


f:id:hyumama:20200319181442j:plain