考えてみると、義姉と義兄はずっとずっと家の中で
ソーシャルディスタンスを貫いていたよう。
お姑との折り合いが悪く、夫婦喧嘩をすると、お姑は必ず兄のことをかばったみたいですから、子供さんが小さい時には、味方がなく、義姉は孤独を感じていたかも知れませんね。
私は同居の経験がないので、余計なことは言えません。想像するよりずっと大変なんだろうなあと思います。
義兄とは大恋愛で結婚したようですが、ここ10年くらい、いえそれ以上、言葉を交わすのは1年に1度くらいだそうで・・・なんだか悲しいですね。
そうなってしまった理由はきっとひとつではないでしょう。
長男が結婚した直後に足を悪くしたお姑さんは、施設に自分から入ったそうですが、同居していた時は、しょっちゅう口喧嘩をしていたそうです。仲裁に入っていた兄も疲れたのでしょう。
義兄は、52歳の時にリストラにあってからはずっと親の年金で生活、義姉とはお財布も別々で、次男が大学に通っていた時には家賃や学費が大変だったみたいですけど、食費もほとんどかからなくなった今、姉の収入はマンションも買えるほどになっているようです。
姉も、いつ離婚してもいいように貯蓄していたのです。
お舅は、私達がマイホームを建てた時ですから、もう、16年前に亡くなり、結婚した甥っ子が何年か前まで住んでいましたが、今は義兄と義姉の2人。
長男が結婚して家をでて、ひとり子供をもうけるが、その後離婚。
愛玩子としてお姑に可愛がられた長男と差をつけられて、大学入学を機に居心地の悪い家を出た次男も社会人となり自由を謳歌していて、家には寄り付かないそうです。
お舅は亡くなり、お姑は施設に、長男は離婚した後、年上の看護師の家に転がり込み、次男は寄り付かず、2階に義姉、1階に義兄。
大きな家なのに、家族はバラバラ
気持ちもバラバラ
そんな義姉と義兄が最近、どちらからともなく歩みよって話をするようになったそうです。
大きな家に一日中ひとりで過ごした時間が長過ぎたのでしょうか。
「最近、喋るんよ」
「へぇー」
夫と義姉の会話
今までどんなに喋らない夫婦だったかが想像できます。
帰省していた娘は末っ子と仲が良いのです。
昨日BBQをしていた時に、夫が、
「孫の顔がみたいなあ そろそろ」
「でたでた」
娘は上手にかわしていましたが、
弟の話では、結婚願望がまるっきりないそうで
「あきらめた方がいいよ、あの人結婚せんよ」
さっきお夕飯の時に、教えてくれました。
30になる娘の友達は、もうほとんど結婚して子供も3人くらいいたりしますが、
「誰ひとり幸せそうじゃない」
と言ってるそうです。
夫はこの話にはかなりショックを受けていたみたいで、口数がすくなくなりました。
「お母さんを見ていて幸せそうだと思ったら結婚したいと、普通は思うだろう」
「・・・そうかね」
「お母さんが幸せそうじゃないと感じてるんだよ」
これには私にも責任があるかも知れません。
ちょっと前までは
「お母さんみたいになりたい~」
と言ってたのに、ただ我慢をしていただけと知り、娘にとって『仲の良い夫婦』は綻びそうになったら、その都度、かけはぎをして縫い合わせたボロ布のように思えたのかも知れません。
知らせないほうが良かったのかな・・・
最後まで馬鹿を演じていれば良かったのかな・・・
娘には赤い糸を手繰りよせて幸せな結婚をしてもらいたいな