何でこんなに電話代が高いか、docomoショップに行って聞いてみた。
それに今まで請求のなかった電話代がどうして急に来るようになったか。
1度ショップに行ったものの、予約をしてなかったので、夕方出直した。
夕方訪ねると係の人は私と同じくらいか、年上か、マツコデラックスだったら、綺麗に化粧もしてるし、トークも面白いから好きだけど、何を食べたらそんなになるのかというくらいに肥えて、伸ばしっぱなしの白髪をひとつに束ね、手にしたファイルから顔をあげないので、手入れしてない白髪交じりの頭頂部とお喋りしているかのようで、良い気持ちはしなかった。
「電話代が高いから安いプランにしたい・・・」手にしたファイルを見ながら低い声で喋りはじめた。
「そうなんです。急に請求書がくるようになって、電話代ってそんなに高かったかと・・・」
と遮るように
「今、それを見てるから、ひととおり見させてください」
ニコリともしないし、顔も見ない。
感じが悪いったらない。
「見たところ、得に高いことはなさそうです。他のプランに変えた方が高くなる可能性が高いですから」
事務的にそう言った。
「なんか、急に請求書がくるようになったんですけど、それはどうしてでしょう」
「カード払いにされてますけどね」
「使ったことないカードだったんで、いつも使っているカードに変えたんです。それまでは家族割で主人が払ってましたから」
「じゃ、プランを変えたってことですかね
それは直接 家族に聞いてください、こちらではわかりかねます」
最後まで無愛想な店員は、それ以上のことは言わなかった。
このとりつく島のない無愛想な店員に、これ以上聞いてもダメだろうなと悟ったが・・・客商売で、ここまで無愛想でふてぶてしい店員も珍しい。
今日は久しぶりに自宅に食事を作りに帰った。聞けるような雰囲気だったら、電話代のプランを変えたのか聞いてみたかったが・・・。
買い物する時から、心臓がバクバクした。
新しいメニューにすると、片っ端からけなされるのをわかっていたので、結局いつもと同じようなもの。
農家の人にいただいたじゃがいもから芽がでそうだったので、早く調理してしまいたかったのだ。
ポテサラに肉じゃが、焼き茄子に魚の煮付け、ゴーヤがあったので、玉ねぎのスライスとシーチキンの缶詰めでマヨネーズであえてサラダを作った。
いつもよく食するメニュー。
皇室の真子様の話題で盛り上がった。
「あの母親がいけないんだよ!」
この話題をふったのは正解だった。
ついつい、どんな話題をふったらご機嫌になるか、忖度することが普通になってしまっている。
家に帰るとこうしていつも、不機嫌にならないように話題に気を使っていたんだと思う。
認知症のお姑の事や父のこと。
話はしたが、やっぱり電話代のことは言えなかった。
急に不機嫌になって私自身が気が滅入ってしまうことを避けたかったから。
明日から仕事だし。
「こっちでたべるんだったら、ご飯炊いといたのに」
「ありがとね、予定がわからなかったからね」
差し障りのない、内容のない会話で、
「また、来週ね」と自宅を後にした。
いつからかもう本音で喋ることを止めていた。だからアパートへ引っ越す時も、
「家事と仕事の両立が無理、朝早いし、コロナで客対応が大変」
などと、それらしい理由で出てきた。
普通にしてたら普通。
不機嫌にさえさせなかったらうまくいく。
「幸司を怒らせないで!」
お姑からよく言われた。
積み重ねることが出来ない不毛な努力、(もういいかな)と思いながら、子供たちと過ごしてきた歳月を家のあちらこちらに感じて、少し落ち込んだ。