昨日のお泊まりで自宅に忘れ物を取りに帰った。洗顔ネットに、太葱に生クリーム。
玄関口の横で通行人に吠えまくるタロも、やっぱりちぎれそうなくらい尻尾を振って出迎えてくれた。
土曜日から帰省していた夫が昼過ぎに帰ってきている。
扉を開くと、ソファでくつろぎ、にこにこ笑って上機嫌だった。
「どお?義母さんは元気だった?」
「ああ、とっても元気だったよ、ボケてない。美容院にも連れてってあげたしね」
「それは良かったね」
そんな会話の間も
「これアパートへ持ってって食べたら?」
と、買ってきたお土産のお菓子を取り分けてくれた。
「おじいちゃんにも持ってってあげて」
「ああ、ありがと」
あんまり長居はしたくない。忘れ物をとってさっさと帰ろう。
「じゃあね、またくるね」
「うん」
昨日作り置きしておいた肉じゃがと、昼用に作った焼きそば、朝用のワカメのお味噌汁も、鍋ごと冷蔵庫に
『入ってるから食べてね』
と昨日のうちにラインを入れておいた。
今日はそんなに負担にならないはず。
穏やかな夫の姿に、どうして私は家を出なければならなかったのだろうと。
息子もいるのに、どうしてアパートに引っ越ししてきたのだろうと。
胸の奥に罪悪感みたいな重石をずっしりと感じ、悲しくなって玄関を出ると泣きそうになった。
2021年から地の時代が終わって『風の時代』がくるって。
フアンでいつも読んでるちいさんのブログに書いてあった。
夫婦の在り方も時代と共に変わって行くって。
私は『こうしなければならない』『こうあるべき』など、自分に課せるミッションが多いのかも知れない。
おもりを降ろしてもっと楽に行きたい
そう考えてアパート暮らしを選択したはず。
それが私達 2人にとって、良い方向に向き、良い関係性を築けるなら、こんな選択もあっていいかも。
残りの人生、怒鳴られたり、顔色見ながら過ごしたくはない。
風のように、ふんわり、したいことをして生きる。