旅行中に義姉さんから聞いた甥っ子の話はもうひとつあるのですが、今日は、結婚式でのモラハラ夫の笑える話。
結婚式が始まる前、チャペルで待つ新郎新婦のところまで、私達夫婦が歩みより、
べールアップという儀式をします。
べールアップは花嫁さんの顔を隠しているべールをあげて、花婿さんによろしくお願いします、との意味があるそうです。
その時に、花嫁花婿に言葉をかけるというものですが・・・。
花嫁姿に感極まって言葉がかけられずにただ涙涙、の方もいらっしゃるようですが、私はしみじみと噛み締めていた感じです。
娘にはシンプルに「おめでとう」と伝えた後、小さい時に、息子3人を育てるのに手が足りず、友達のところで遊んでいた娘に「早く帰ってきて!」とよく手伝だわせたことが蘇り、かわいそうなことをしたなあと、そのことが思いだされて、「小さい時、無理な手伝いをたくさんさせたね、ありがとう」と伝えたように思います。
その話題に触れた時に涙声になってしまいました。
「お父さんからも一言どうぞ」
とスタッフから声をかけられた夫が口を開くと、どうしたことでしょう。
朝食べたお味噌汁に入っていたネギが前歯にくっついて、お歯黒状態に!まぬけな顔になっているではありませんか
はっ!としましたけど、この大事な場面で、私が「歯にネギくっついとるよ」なんて言ったら、「みんなの前で、恥をかかせた!」と後からどんなモラハラが待っているかわかりません。
でも、みっとも無さすぎ!
どのタイミングで伝えたらいいか、迷っているうちに、娘が
「お父さん、歯にネギくっついとるよ」
と指摘してくれました。
周りのスタッフもどっと笑い、私から指摘しなくて良かったとほっとしました。
スタッフさんは、内心、私から早く言ってあげればいいのにと思っていたに違いありませんが、突然、激高する夫が、この場面をぶち壊すんじゃないかと気になり、タイミングを見計らっていたところでした。
娘からでは笑うしかありません。
感極まって涙目になっていたお婿さんも泣いたり笑ったりで、和やかな良い雰囲気になりホッとしました。
式はオルガンとバイオリンの生演奏、ソプラノ独唱の中、夫と娘がバージンロードを歩いてきますが、夫がドレスのすそを何度も踏みそうになり、息子達も思わずふきだしました。
聖書 コリント人への手紙13章4節〜7節の箇所は、図らずも、私達が教会で結婚式を挙げた時に、牧師さんが拝読して下さった箇所。
結婚式ではよく引用されるようです。
「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」
あの時、私は夫と手を取り合って長い人生を一緒に歩んでいくものと信じて疑わなかった。
今、未来に向けてバージンロードを歩く娘と迎えるお婿さん。幸せに満ち満ちた2人に比べ、早く離婚したいと願っている母親。
どうしてこうなったんだろうと思いながら、娘には同じ思いを絶対にさせたくないと思いました。
モラハラ人間は100人に6人の割合で存在する二律背反する人格の持ち主。本人にその自覚は全くない。
社会の認知度が上がるのにあとどのくらい時間がかかるんだろうか・・・そんなことを考えながら複雑な胸中で式を終えた。