昨夜は親知らずを抜いた後の痛みが酷くて何も食べられないどころか、喋るのも痛くて息子の隣で押し黙ったまま座っていた。
私はいらなくても息子は食べる。
息子の食事だけ準備した、ひとりだけなら何も作らなくていいのになあ・・・・と思ったけど。
でも昨日も洗い物は息子がしてくれて随分、気が楽だった。
夫といるときにはこんな風には絶対にいかない。
作った晩御飯には文句を言いながら食べるだろうし、洗い物など頼んだひには、「んあー?」と誰に向かって言ってるんだとばかり不機嫌オーラを撒き散らすだろう。
普通のご家庭の普通の夫なら、奥さんが怪我をしたり病気だったりしたら手伝ってくれるだろう。それによって、随分と奥さんの負担も軽くなるはずだ。
モラハラ夫との生活はちがう。
先日、37年ぶりに当時の牧師ご夫妻とその娘さんにお会いした。
当時、高校生だった私からすると、娘さんはまだ小学校低学年の天真爛漫な元気なお嬢さんというイメージしかなかったが、もう大学生と高校生2人のお母さんというからびっくりした。
月日の流れは早い。
海外の大学に行った先で、今のご主人さまと知り合い、今も海外で暮らしていて、コロナ禍約3年ぶりの帰国と言っていた。
天真爛漫なお嬢さんは、海外の暮らしで逞しさも増し、はつらつとしていて頼もしくなっていた。
礼拝後に牧師ご夫妻とお嬢さんを囲み、お弁当や持ち寄りのお菓子やケーキなどを食べながらおしゃべりタイムになった。
昔は20人近くの年配女性の婦人会なるものが存在し、行事の時には朝早くからみんなで手作りのカレーやサラダをいただいた。活躍されていたご婦人達は皆、ご高齢になり、亡くなられたり、施設に入っておられたりする。
みんな懐かしいばかりでそれぞれおしゃべりが止まらない。
そんな中、50歳になる牧師さんのお嬢さんが気になることを口にした。
「私、キリスト教会の子供が嫌だったんよね~(笑)」
「え?何で?」
「何か、あの子はキリスト教会の子だからって、特別な感じで見られて嫌だった~
何か、悪いことできんし(笑)」
笑って喋っていたが、彼女は彼女で神に仕える牧師の娘という括りが、周りの人との距離感を作り、「普通じゃなかった(笑)」と言うのだ。
「運動会なんか、小学校6年間1度も見に来てもらえなかったし(笑)」
笑って喋る横で先生も奥さんも伏し目がちになった。
小学校の運動会に6年間1度も見に来たことないというのは、子供の気もちを思うとあまりに悲しい。
私の家では、家族でお出かけすることは数えるほどしかなかったが、運動会には来てくれた。
教会の行事のクリスマス会や、バザーやキャンプ、本当に楽しかった。
みんなでお出かけした時には娘さんも一緒についてきて、年の離れたお兄さんやお姉さん達に可愛がられて楽しそうだったのに、キリスト教会の家に生まれた、謂わば宗教2世の悲しみは、周りに相談できず、こんな年月を経て本音を吐露することになったのだろう。
教会での生活は楽しかったかも知れないが、娘さんはお父さん、お母さんとしての時間がもっと欲しかったのかも知れない。
彼女は彼女なりに悩んだに違いない。
統一教会や創価学会、妖しげな新興宗教もたくさん存在し、親がそれを信仰していたら、子供まで親に従わなくてはならない、そんな暗黙のルールに縛られるのは否めない。
ちょっとくらい破目をはずしたくても、夜遅く帰りたくても、親の目が気になりできなかったという気もちはなんとなくわかる。
それは宗教に縛られたせいだけではないだろうけど。
統一教会の2世のように多額の献金によって生活が破断したり、子供の世話をしないネグレクト状態、これはもう犯罪の域になる。
宗教団体の中、2世の悩みはベールに包まれ、知り得ないところで大きく渦巻いている。
笑って喋ったお嬢さんは、きっともう吹っ切れているだろうけど、抱え込んでいたことを思うと少し切なくなる。
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